私、恥ずかしながら、元、公立学校の教員でしたのよ。( 6 )
始業式後、児童名簿を、片手に、名前を呼びました。元気よく、返事が、かえってきて、そちらを、見ると、真っ黒に、日焼けした元気な男子児童や、ほっぺたを赤くして
恥ずかしそうな女子児童が、私の方を、真剣に、見つめていました。
ありがとう。先生は、あなたたちの担任になって、本当に、嬉しい。
この1年、未熟な先生を、よろしくね。
先生と一緒に、楽しく、元気に、頑張ろうね。
困ったら、何でも、相談してね。
何時でも、先生は、聞くからね。
あなた達に、信用されたら、先生は、1番、嬉しいよ。
可愛い私の38名の子供たちの顔を見つめ、どの子も、どの子も、幸せな一生を、送ってほしいと、願わずには、おれませんでした。
どの道に進んでもいいから、元気に、そして、幸せになるのよ。
困ったことが、できたら、横や、周りを、見ないで、まっすぐ、上を、見るのよ。
上には、無限の青空が、広がり、真っ白な曇や、さわやかな風が、ふいているよ。
別世界だよ。
別世界が、ある事を、知ったら、現実の世界など、恐れることはないよ。
ばかばかしいことで、悩んではだめよ。
ひとつ、気がかりな事が,ありました。
吉村幸雄君-----心臓病で、顔色が青白く、体は、同級生と比べて、1周りも、2周りも、
小さく、小柄で、小さな手の指の爪が、青っぽく、ぐっと曲がっている
のです。
10月、2回目の手術をするそうです。
手術の成功を、願わずには、おれませんでした。