箒に乗った魔女---ならぬシルバ-カ-の魔女の、その後

  箒に乗った魔女--ならぬシルバ-カ-の魔女は、そんな訳で、心優しい
スタッフ以外、あまり、入居者様からは、話しかけられず、「孤独な人」だと
思っていました。

 ところが、この世は、捨てたものでは、ないですね。
この世は、素晴らしい!
 私は、数日後、素晴らしい場面を、見てしまったのです。

 それは-------
 この介護付き有料老人ホームは、毎日、入居者の健康のため、
4階と、2階の、大広間で、体操をします。
 体操が、終わって、椅子に座って、ゆっくりしていた私の前に、
突然、箒に乗った魔女、ならぬシルバ-カ-の魔女が、現れたのです。

 箒に乗った魔女ならぬ、シルバ-カ-の魔女は、4階の、あるお部屋の
ドアーを開けて、さっさと、入って行きました。
 すると、
 しばらくして、上品な、優しそうなご婦人と出てきて、ご婦人は
魔女の、お部屋をご存じらしく、魔女を、
お部屋に連れて行き、ご婦人だけ、帰ってきて、お部屋の鍵を閉めました。
 しばらくして
魔女が、また、あらわれて、上品な
ご婦人のお部屋に、入ろうと、しましたが、鍵がかかっていて、入れません。
 すると、魔女は、ドアーを、ドンドン激しくたたきました。
 上品なご婦人は、あきらめて、出ていらして、魔女と
並んで、お部屋の前の大広間に、おいてあるソファーに、腰かけました。
 魔女は、嬉しそうに、ニコニコして、上品なご婦人の手を、握って
離さず--------
 私は、このご婦人のやさしさに、思わず、涙しました。

 そして、私も、魔女と、しっかり、握手しました。

 すると、魔女は、私の顔を、覚えてくれ、それ以降、1階のダイニングル-ムの席に、座ると同時に、私の方を見て、頷いて、手を振ってくれるように
なりました。

こんな素晴らしい介護付き有料老人ホーム、私、出たくないよ~~~~